江戸川区立 平井第二小学校

 私には今年小学一年生になった息子がいる。

 その息子が通う小学校が、平井第二小学校である。学校から「来年入学を検討している親御さんへの説明会で喋ってもらえないだろうか。」と頼まれ、頼まれたのは妻であるが、私も半分話したのでその内容を書いてみたいと思う。私が話したのは「平井第二小学校を選ぶまで」という内容である。「江戸が区立なのに、どうして『選ぶ』とかあるわけ?」というのは、この後で説明する。

 江戸川区の小学校、中学校には「学校選択制」がある。これは入学前に自分の希望で学校を選ぶことが出来る制度である。明らかに自宅から通えない距離であれば選択できないし、学校自体が受け入れの余裕がなければこちらから希望することもできなく、各学校ごとに学区外から受け入れ可能な人数枠を持っている。人数枠をあふれた場合は抽選となる。希望しなければ、予め決まっている学区の学校に入ることになる。また、入学してから変更することもできない。

 この「学校選択制」は区によって実施有無が異なり、今はこの制度を実施していない区も多いと聞く。たしかに、学校選択制のメリットもあるがデメリットもあるだろう。

 ちなみに、6月頃に江戸川区立の各学校では約一週間の学校公開があり、その間に自由に学校を見ることが出来る。これは在学生の親御さん以外でも見ることが出来る。また、学校公開の間で説明会を実施している学校もある。平井第二小学校の今年の説明会が、上述の、妻が学校から頼まれた「説明会」である。

 さて、我が家の話に戻ろう。

 私の自宅から通える範囲には5つも小学校が存在し、しかも、その5つとも徒歩で10分から15分程度で距離的な差はほとんどない。学区としては平井南小学校になる。そして、私としては気になったことがあった。

 小松川小学校である。小松川小学校も学区外からの学校選択制による生徒を受け入れているが、例年(ここ数年なのかもしれない。正しくはわからない。)受け入れ枠を超える希望があり抽選をしている、と聞いた。なぜたくさんの人が希望するのだろうか?

 公教育であれば学校ごとの差はないのではないだろうか? どうして?と、疑問が続く。

 まず、私は学校公開を利用して小松川小学校を調べてみることにした。

 小松川小学校では学校説明会もあり、また、学校の授業も拝見させていただいた。良い学校のように感じたが、正直に言えば学校選択制の希望が集中する理由は私にはよく分からなかった。

 小松川小学校を拝見したあとに、私は「この際だ! 五つの学校全部回ってしまえ!」と思い立ち、他の学校もすべて学校公開の間で見学させていただくこうと決めた。学校説明会を開催している場合は、もちろんそれにも参加した。

 全部回って強く感じたことは「学校はそれぞれ違う。」ということである。「かなり違う」「差がある」と言ってよいと思う。良い悪いではなく、方針の違い、キャラクターの違い、というような感じだ。公立の学校はほとんど同じだろうと思っていた私にとっては、大きな事実であった。つまり、学校選択制を利用する意味があるのだ、ということを強く実感したのである。

 各学校の違いをここでは取り上げない。それぞれみなさんの、親御さんの感じ方があるだろうと思う。私にとって良くても、他の人にとっては意味がないのかもしれないし、逆もあり得る。

 そして、私はこの平井第二小学校を拝見させていただいたときに「これだ!」と思った。ピンときたといってもよい。キター、なのかもしれない。私が気に入ったのは、先生方がとても熱心であることなのだが、特に「工夫が行き届いていること」であった。様々な工夫がこらされている。小さい学校であることを最大限に生かそうとする工夫が溢れている。工夫が徹底されているのだ。

 工夫が行き届いているということは、おそらくだが、前例踏襲主義のようなものは無いか、少ないはずだ。前例を踏襲するのであれば、工夫は要らない。何がベストなのかを一生懸命考え、労を惜しまずに実行する、それが工夫なのだと私は思っている。そういう姿勢が私は好きだし、そのようなところが息子の学校であればとてもうれしいし、微力でも私はその努力に協力したいと感じる。

 小さい学校故の心配もあったのは事実だ。それを平井第二小学校の先生に質問したところ、真摯にお答えいただいた。心配が解消した、というよりは、短くない六年間に色々なことがあるだろうけれども、それを相談して真剣に考えてくれる学校なのだろう、と感じた。自分本意な解釈であるとは分かっているが、事実、そのように感じた。

 「先生は異動するんじゃないの? 異動したら変わるんじゃない?」という意見もあるだろう。それはそのとおり。私もそう思う。でもそれはどこの公立学校だって同じ。でも、今気に入っている状態ならば、いいじゃないか、と。今気に入らない状態があとで気に入る状態になることを期待するよりも、よっぽどいいじゃないか、と。

 もし、学校選択制で少しでも「どうしたらいいかな?」と思っている親御さんがいらっしゃって、このページを見ていただくことがあったら、私からお伝えしたいのは「実際に学校を見に行ってみてください。ホントに違うから。」ということだ。みなさんのお子さんに合った学校に入学し、ご家族皆さんが楽しい小学校生活を送れればいいなあと願っている。