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アメリカで親知らずを抜歯する

 先週の金曜日、親知らずを抜歯した。

 前々から言われていたことだった。親知らずは既に日本で三本を抜歯済みであったが、最初に抜歯した右下の親知らずの抜歯の時が大変だった。手術時間は2時間ぐらいかかったと思うし、また、その後の出血もひどかった。局所麻酔を打ち続けたせいで、ほっぺたは真っ黄色。親知らずが横向きだったから大変だったのかもしれないが、それにしても尋常ではない苦痛で、その後、上の左右の親知らずを抜歯するまでにも相当の冷却期間(気持ちの)が必要だった。

 上の親知らずは普通の方向、下向きだったので、抜歯はさほどの手間でもなかった。  その状態ですでに10年近く経っていたのだが。

 米国に来て、歯科検診を受けた時に、ポケットが深いことを指摘され、左下の親知らずの抜歯を勧められた。全く歯茎からも出ていないのだが、日本にいた時から抜歯したほうが良いとは言われていたし、米国で抜歯するというのも珍しい経験かもしれない、と前向きに考え、抜歯することにした。

 以前にも書いたように、こちらの医療は分業が進んでいるので、抜歯は口腔外科の先生のところに行くことになる。紹介された口腔外科にまずは一度行き、コンサルティングを受けた。X線写真をとり、麻酔について尋ねられた(のだと思う)。なんとか、or sleepyと尋ねられたので、前者の「なんとか」は何と言っているのかよく分からなかったが、おそらく「局所麻酔か全身麻酔か」みたいなのことを尋ねられているのだと判断し、"Sleepy"と答えたところ、ドクターは「そりゃ、Nice Ideaだね。寝ている間にすべて終わっているよ。」と。

 で、金曜日が抜歯の手術日だったのだ。  コンサルティングの時に手術前の準備について説明を受けたのだが、8時間前から絶食、帰りは自分で運転して帰れない、とのこと。また、前日のアポイント確認のときには、その2つに加えて、腕をまくりやすい服で、とリクエストされた。

 当日、普通の歯医者の椅子に座らされ、左手に血圧計を装着。これだけで全身麻酔という感じがしてくる。右手の静脈に注射針を刺し、鼻に酸素のチューブみたいなのがかぶさり、というところで記憶終了。眠たくなってきたとか、そろそろ麻酔が、とか、そのような感じは一切受けなかった。プッツリと記憶が途切れていて、次に気づいたのは口にガーゼを噛んでいるところだ。

 気づいた、いや、目が覚めた、といっても、かなり記憶はおぼろげで断片的である。家内によれば、同じ事を何度も質問していた、らしい。たしかに、その日一日、強烈に眠かった。  全身麻酔は人生初であったし、とても貴重な経験であった。未だに歯は痛いが、腫れもおさまりつつあり、回復傾向のようだ。