CASIO GP-300BKは遅れてきた高級機か 追記1

 CASIO GP-300BKはその後も順調。

 使うに従って見えてきたことがあるので、記載しておきたい。

 まずは、録音機能。録音機能はMIDI録音とオーディオ録音ができる。MIDI録音は音そのものを録音しているのではなく、どの音色でどの鍵盤をどのタイミングでどのぐらいの強さで押したか、というものを記録していく。従って、後からゆっくり演奏させたりすることもできる。オーディオ録音は文字通りオーディオを録音しているので、そのまま録音されている。録音されたファイルサイズも大きい。

 GP-300BKの録音機能では、私が当たり前のように思い込んでいたことができなかった。MIDI録音は内蔵メモリ、オーディオ録音はUSB外付けメモリ、と完全に分かれているのだ。MIDI録音をUSB外付けメモリにはできないし、逆も然り。また、MIDI録音はなんと一曲、2トラック分しかできない。複数の曲が録音できないのだ。

 この点は明らかにクラヴィノーバに劣る点だ。クラヴィノーバはどちらの録音も、どちらのメモリにもでき、しかも、複数曲の録音が可能だった。一人で連弾の練習などもできたわけだ。しかし、このCASIO GP-300BKではできない。

 CASIOなのだから、このような電子的な機能は間違いなくクラヴィノーバよりも強いのではないか、という思い込みもあった。この点は非常に残念。

 次は、鍵盤のタッチに関係することで、振動の問題である。

 この問題を言葉で表現するのは微妙に難しいのだが、鍵盤を弾いた時に鍵盤からハンマーまでのメカニズムが動作した時の振動が「カツン」と強めに感じられるのだ。とはいえ、だからといって弾きにくいわけではない。弾いた時に「あれ? ピアノの鍵盤の振動ってこんなにはっきりしてたっけ?」と思う程度のものだ。ある程度の音量、通常のピアノと同様の音量に上げてしまえばあまり気にならない。しかし、ヘッドホンで夜に弾いている時、弾いている本人は全く問題ないのだが、周りの人、ピアノの音色が聞こえない周りの人は「結構音(振動)がしてるよ。」と言うようなレベルである。

 この点に関して、ここからは私の想像だが、本物のピアノも同じ程度の振動があるのではないかと推測している。GP-300BKは鍵盤からハンマーまでがベヒシュタインのグラインドピアノと同様のメカニズムを採用しているわけだから、なおのことそうなのではないかと思う。しかし、本物のピアノは重い。フレームも響板も非常に重い。この重さによって、この鍵盤の振動が適切に制御、制振されているのではないか。BP-300BKも思い電子ピアノだが、本物のピアノと同じような重さがあるわけでもなく、100kgもない。だから、その振動が目立ってしまうのではないか、と推測する。