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CASIO GP-300BKとGP-500BPの違い

 先日、楽器フェア2016に行った。楽器フェアはめっちゃ楽しい。僕にとって貴重な経験だったのは、ベヒシュタインとベーゼンドルファーの本物を触って演奏できたことだ。ベヒシュタインのアップライトピアノ、グランドピアノとも触ったが、我が家のCASIO GP-300BKと似ていることに驚いた。いやいや似せているのはGP-300が、なんですけどね。

 もちろん、本物のピアノならではの重量感などの点では異なるが、相当似ているように感じる。なんていうと「こんな大きな違いがわからないなんて、アホだ。」みたいな意見もあるだろうが、意見には個人差がありますので。アップライトだって値段差5倍以上あるのにCASIOはよくやってるなあ、と感心した。

 さて、CASIOブースにも立ち寄らせてもらった。Grand Hybridシリーズを推した展示になっていて心強い。プロの演奏家のデモ演奏の時間もあり面白かった。CASIOのブースの方と話して、新たに分かったのがGP-300と500の違いだ。購入する時から思っていたのが、この値段差はなんなのだろうか、というものだ。

 カタログ上で明示されている機能上の差は無論理解できる。エフェクトの一部が違かったように思う。具体的には、弦共鳴システム、機構音システムがGP-300では簡略化されていることである。購入時に試しに弾いた時にはこれらの違いは分かったようなわからなかったような、というのが私の感想だ。ただ、間違いなく音は違う。前述のエフェクトの際に起因するものかどうかはわからない。GP-500の方が良いと言える。その音の差を値段の差でどう評価するか、だ。

 私は購入時には以下のように判断した。

 電子ピアノの値段の差はどこから来るのか。戦略的な観点からの値付けというのももちろんあろう。例えば、原価にほとんど差がなくてもあえて上位機種のものは値段をあげるとか、あるいは、原価に差があっても値段を抑えるとか。私はGP-500とGP-300の値段の差はそれなりに原価に差があるのであろう、と仮定した。では何の原価の差なのか。

 電子ピアノは大きな電化製品なので、材料、組み立ての手間は大きく価格に影響するはずだ。しかし重量を見てみると、77.5kgで両者とも変わりない。ということは、おそらく0.1kg単位以上の部品はGP-500だけに取り付けられていない。私が恐れていたのは、アンプ、スピーカーに差異があることだった。ここの差異があると、音に大きく影響する。YAMAHAのClavinovaではそのような差が上位機種と買い機種の間に存在するし、KAWAIなどでも同様だ。

 CASIOのGP-500, 300の場合、カタログではアンプ、スピーカーの差異は述べられていないし、前述のように重量も変わらない。おそらくここには差がないはずだ。

 とすると、まず大きな差は見た目からわかる点で塗装だ。GP-500はピアノブラックの光沢仕上げである。これは手間がかかる。YAMAHAのクラヴィノーバでも塗装の違いで値段が違う機種が存在するが、数万円違うというのも十分理解できるほど、ピアノポリシッシュは塗装に手間がかかる。

 しかし、たかが塗装とタカをくくってはいけない。音響製品では塗装は極めて重要だ。塗装で音が違う。バイオリンだって共鳴板のニスが違うだけで音も違うし、値段も違う。

 一方、エフェクトの差異から想像できる電子部品の違いはあるのか。ここは私には分からないが、高性能なASICをGP-500と300で別で生産するのは難しいのではないかと推測した。何十万台も売れるような機種ではないから、別に設計して、別に生産するのはコスト高であろう。とすると、上位機種に合わせて製作して、下位機種は一部がDisableされているのかもしれない。あるいは、ペダルの物理スイッチに差異があるのかもしれず、そのスイッチからの入力がないのでエフェクトが省略されているかもしれない。(全くの推測)

 以上が購入時の推測であるが、楽器フェアでCASIOブースの方とお話しして、上記の推測がある程度は正しかったことがわかった。カタログに記載の差異以外で違うのは、塗装と木材、だったのだ。

 重量が変わっていないので、木材に差異があるとは推測しなかったが、仕上げが違うので部材が異なるそうだ。これによって、もちろん音に差はあろう。

 僕の場合は、子供がピアノポリッシュをベタベタと触り、傷をつけられるのが嫌だったのでGP-300にしたが、音にこだわりのある方はGP-500を検討してみるのが良いと思う。私の観点では値段差に見合うクオリティの差はある。と言っても、GP-300も十分良いのだけれど。