走ル/羽田圭介

 二週間前、自転車を買った。この自転車購入はこのBlogで書かねばならないことだと思っているので、近いうちに。  さて、自転車にハマっている私が読了したしたのが「走ル」羽田圭介著である。産經新聞だったか、何かの書評をみて、私が自転車を購入するずっと前から読もうと思っていた本である。  主人公の高校生の男の子が、自宅でさびだらけのBIANCHIのロードバイクをたまたま発見し、たまたま学校にその自転車で行き、部活の朝練の最中にひょんな事で自転車で遠くに向かって走り出す。  この走っている描写が、自転車ならではの気持ちよさが十分込められていてとても共感できるし、走って行く地域の描写が本物のままだ。ただ、私の知っている地域は東京近郊でしかないから、幸手ぐらいまでが「そうだよね、そうそう。」と思える範囲だったのが残念。きっと、作者は自分で走って書いたんだろうなあ、と思ってしまう描写だ。  清々しい青春小説としてお勧めできる。とても楽しく一気に読むことができた。 「走ル」羽田圭介 著 河出書房新社 1,200円