実録水漏れマンション殺人事件 久川涼子著

この本は面白い。が同時に怖い。何が怖いって、自分の所有しているマンションのすぐ真上の部屋で殺人事件が起きて、何日間も続く全面的な水漏れが発生していまい、その責任を問おうとしても、そもそもの原因を作った殺人犯には賠償するような能力もない、なんて場合を考えたことがありますか。マンションだって、一戸建てだって、その隣に住んでいる人によって、区分所有している住居の環境、価値は一変する可能性がある。例えば、ゴミ屋敷の隣の一軒家には誰だって住みたくはないだろう。
そのような悲惨な目に遭ってしまった著者の心折れながらの、しかし心折れずに頑張る記録である。