NAT64/DNS64は速い

 5Gなんてやってきたら、「自宅にインターネット回線を引くとか何の意味があるんすか?」と言われそうな気もするけれども、現時点(2019年8月)ではまだ自宅の固定回線の必要性があるように思える。世の中的には、固定回線なく使っている人もたくさんいるとは聞くけれども。

 

 この自宅の固定回線をどこの業者にするのか、というのは、選択肢も多く、どうやって選んだら良いのかわからないという人も多いのではないか。Softbank Airのように、固定回線を携帯電話網で、という考え方もあるが、ネット上の評判を見ても僕はどうしても速度の低下の懸念が拭えない。我が家では固定回線は光ファイバーをVDSLで引き込んでいる。マンションが古いため、マンション構内で光ファイバーを引き込むことができない(この顛末は別の記事に書いている)。

 

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 VDSLは上り下りとも100Mのスピード。今となってはやはりやや物足りない数字だが、これ以上望めないのだから致し方ない。しかし、この100Mというスピードも混雑時に出すことは難しい。フレッツ光を足回りに使っているPPPoEでは混雑でスピードが十分でないことがある、ということらしい。

support.biglobe.ne.jp

 我が家で使っているBiglobeではIPv6を提供しており、今まで「IPv6オプションライト」というものを契約していた。混雑しているPPPoEではなく、IPv6のIPoEを使うことができるのだが、実際どのようなものなのかよくわからずに使っていた。そのような中、BiglobeからNAT64/DNS64トライアル利用の案内があり、先日から利用を開始した。ちなみに、現時点(2019年8月)これはあくまでもまだ一般公開されたサービスでなく、利用者を限定したトライアルでの実施だ。

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 結論から言うと、NAT64/DNS64は速い。もし使える機会があるならば申し込んだ方が良い。(ただし、BiglobeのNAT64/DNS64の申し込みページにある通り、いくつかの特殊なケースが動作しなくなる。)


 ただし、このサービスは現状トライアルで一般には申し込めない。その場合は、Biglobeならば「IPv6オプション」サービスを使うべきだ。他のプロバイダーではIPv6プラスというような名称かもしれない。また、重要な点だが「IPv6オプションライト」ではない。「IPv6オプションライト」と「IPv6オプション」の違いを簡単に言うと、接続先のサイトがIPv6に対応していない場合、つまりIPv4のみの場合、オプションライトでは従来の接続のやり方PPPoEを使用して接続し、混雑を回避できない。しかし、IPv6オプションでは、そのような場合でもIPoE接続を経由して接続でき、混雑を回避することができる。

 

 したがって、IPv6オプション(v6プラス)を利用している場合には、NAT64/DNS64を利用してもスピードが上がる可能性は無い。

 

 では、なぜIPv6オプションではなくNAT64/DNS64が提供される(トライアルだが)のかというと、自宅ルーターが特殊なタイプである必要がないから、だ。IPv6オプションでは、自宅ルーターはそれに対応したモデルである必要がある。ひかり電話、を契約した場合には、そのサービスに対応したルーターが設置されるので問題ないが、それ以外の場合には、自分でIPv6オプションに対応したルーターを用意するか、あるいは、プロバイダーからレンタルする必要がある。それが、NAT64/DNS64では、基本的には何も変更が必要ない。

 

 とすると、次の疑問としてなぜNAT64/DNS64をサービスしないのか(IPv6オプションの代わりに)ということになる。ここからは私の推測だが、NAT64/DNS64は接続業者側の費用がかかる、つまり装置の値段が高い、のではないか。また、IPv6に対応しない機器、IPv6アドレスを取得できない機器は、NAT64/DNS64を使うことはできず、従来のPPPoE接続になってしまう。IPv6オプションでは、IPv6非対応機器でも速度向上が見込めるのだ。ただ、今時IPv6に対応していない機器は少なくなりつつある。我が家では、ゲーム機、Scansnapは非対応だが、Mac、iPhoneは対応している。

 

まとめ
・IPv6オプション(v6プラス)は申し込むべき。ひかり電話を使っているなら機器もそのまま。
・NAT64/DNS64はIPv6オプションを使っていないならば申し込むべき。IPv6オプションを使っているなら、そのままでいい。