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CASIO GP-300BKは遅れてきた高級機か(前編)

 電子ピアノを購入した。今までのピアノ機種歴は、実家ではアップライトの日本製ピアノ、その後、Technics SX-PX207。

 これはすごい電子ピアノだった。当時、店頭で試し弾きを4機種ぐらいした記憶があるが、明らかに優れていると感じた機種で即決した。

 とても気に入って17年間も使っていた。途中で何度か修理に出したが、鍵盤をおしたときにカスカスと音がするようになったことと、ペダルがカチカチ音がするようになったことで使用を諦めざるをえなかった。保有部品がなく、修理できなくなったからだ。また、当時のパナソニックの修理担当の人は普通の家電の人がやってくるので、音の不具合を伝えるときに、正しく症状が伝わっているのかやや心配だったこともあった。

 とはいえ、サービスレベルも高く、電子ピアノ本体の性能が良かった。スタインウェイのサンプリングという音がとても良かった。一聴して他の電子ピアノとは違う音であった。

 

 その後、アメリカに赴任することになったので、それに合わせて新しい電子ピアノを購入し、日本からアメリカに運んだ。YAMAHA Clavinova CLP-470である。

 クラビノーバのCLPシリーズはピアノ本来の機能に特化したシリーズであり、値段を分けて4機種がラインナップされている。当時も4機種がラインナップされていて、このCLP-470は上から二つ目の機種。当時はこの機種から上が木製鍵盤であったので、必然的にこの機種を選んだ。この機種は鍵盤にはこだわっていて、木材を使用した木製鍵盤で、鍵盤ごとの重みも変化させている。

 このピアノも非常に良かった。弾いていて何の違和感もなく、すっと入る音質。弾き心地。これをアメリカでさん年間使い、日本に戻ることになった時に売却した。気に入らなかったから売却したのではない。米国では電子ピアノの値段が日本よりは高い。また、私同様に日本人赴任者も多く、ヤマハの電子ピアノの需要があったので売却した。

 

 さて、日本に戻ってきて、楽しい電子ピアノの購入機種を検討することとなった。条件としては、

値段帯は20万から30万

本格的なもの

 という条件だけだ。

 候補となったのは、YAMAHA CLP-575、KAWAI CA-67あるいはCA-97、Rolandの同等機種といったところである。Rolandだけ扱いが軽いのは、今までの経験からRolandの音色があまり自分の好みではない、ということが分かっていたからだが、もちろんその後の試し弾きで再確認する予定だ。

 ヤマハクラビノーバはCLP-575は素晴らしい。文句のつけるところがない仕上がり。音色も今まで使っていたCLP-470に比べると一新されていて、しかも、ベーゼンドルファーの音色まで備えている。ベーゼンドルファーも一聴するともっさりした感じに聞こえるが、弾いているとこれは味のある良い音であることが分かる。

 Rolandはやはり自分の好みには合わなかった。簡単に言えば「素敵すぎる音色」だからだ。素晴らしく上手な演奏に聞こえるような音色。豪華で広がりのある明るい音色、というイメージがある。今までの私のRolandに対する思い込みで一つ間違っていたことがあった。鍵盤が木製だ。今までは上級機種まで木製ではなかったと記憶している。木製は木製で良いところもあるが、天然由来のものなのでデメリットもある。Rolandの考え方として、人工鍵盤でも木製に劣らないというものだったと私は理解していたが、今回試し引きした機種は木製鍵盤であった。

 KAWAIはClavinova CLP-470を購入した時に最大の対抗機種となったメーカーだ。当時はCA-63だったと思う。上級機種のCA-93もあったが、響板スピーカーが私にはモワッとした感じに聴こえてCA-63の方が好みだった。タッチも素晴らしいかった。

 現行のCA-67も同様に素晴らしいものだった。タッチが素晴らしい。音色も良い。ただ、気になったのはヘッドホン使用時になんと言うたんだろうか、高音キラキラ、低音ズシーンという雰囲気がある。電子ピアノ売り場の販売員によれば、KAWAIのリファレンスモデルであるグランドピアノの「シゲルカワイ」はそのような華麗な音だそうで、ヘッドホンだとそれが忠実に再現されやすい傾向にあるようだ。

 とここまでのところで、CLP-575が最有力になってきた。しかし、ここで店頭の目立つ位置にカシオの高級そうな電子ピアノが展示されている。「セルヴィアーノ グランド ハイブリッド」と銘打っている。この、CASIOの2機種を試さないわけなはいかない。(後編に続く)